2008.11.28
「ね、大石」
テーブルの向こう側にいる英二がきらきらした瞳で、じっと俺を見つめてくる。
「ん?」
こういうときは、なにかおねだりしたいとき。
どんな要求が来るのか。
今日は特別な日だから、たいていのお願いはきくつもりでいるけど。
「好きっていって?」
頬をピンクにして、イタズラっぽく笑う英二が可愛くて、要望に応える。
「好きだよ」
優しくそういって、テーブルの上にあった手をそっと握った。
「えへへ…」
自分でお願いいたことなのに、俺がいったとたん照れくさそうに俯いた。
可愛い、英二。
英二の存在が、俺にとってどんなに大きいか。
英二は知らないだろうな。
握ってた手をぐいっと強く引き寄せると、英二が顔を上げる。
「愛してるよ、英二」
「…俺も、大好き」
ゆっくり顔を近づけると、英二の目蓋が閉じてく。
触れ合う瞬間、毎年伝える感謝の気持ちを口にする。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
やわらかい唇を塞ぎ、英二をこの世に産んでくれたご両親と、俺に出会わせてくれた神様に心の底から感謝した。
そして、俺と恋に堕ちてくれた英二にも心から感謝する。
これからもずっと一緒にいよう。
絶対、幸せにするから。
「大石」
「なに?」
「これからも、一緒にいてね」
「もちろん」
「幸せにするからね」
「……ああ」
同じ気持ちを持っていてくれる。
それだけで、俺はものすごく幸せなる。
一年に一度の特別な日。
一緒にいられることを、心から感謝する。
英二、誕生日おめでとう。
*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
滑り込みアウトの誕生日SSS。
いつも同じようなものでスミマセン。
『新婚シリーズ』の誕生日な感じで読んでいただいてもかまいません。
こんな15歳も怖いので(笑)
とにかく、英二!誕生日おめでとう!!
11/29(06:32)
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